キノコの自省録

日々適当クリエイト

今その作品を作らないと、一生その作品はこの世に出ない

今年、ゼノギアスが20周年を迎えたようです。ということでシタン先生の絵を描きました。

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それにかこつけて、エントリーを。

その作品は今しか作れない

ゼノギアスはDisc2未完成とか紙芝居とか巷で結構言われています。 この原因はスケジュール遅れ、つまりDisc2の工程を大幅に簡略化することでスケジュールを巻いたためです。 作品を2回に分けてリリースという手段も選択肢としてあったようですが、結果として、1パッケージ完結品をリリースしました。

高橋哲哉氏が海外紙に『ゼノギアス』のディスク2問題について語る「正しい選択だったと思う」 | AUTOMATON

分割パッケージにすると、Disc2に相当する部分が一生作る機会はなかったかもしれませんし、おそらく同じ開発陣で作成することは出来なかったと思います。 Disc2を詰め込んだのは、私も大いに賛成します。

結局チームは解散、スタッフはバラバラという状態になってしまい、リメイク要望が高い本作ですが、非常に厳しい状況となってます。

正直、スタッフも権利関係もクリアされたとしても、やっぱりリメイクというのはかなり困難な課題だと思います。

ゲームを取り巻く環境が変動しすぎてしまっていますので、リメイクは今の基準で完全に作り直すべきなのか、 当時のテイストを残しつつDisc2を作り直すべきなのか、まず判断が要ります。 当時のテイストを残す選択をした場合、スタッフの熱量が合っていないと、チグハグなものが出来てしまいます。 かといって今の基準で作り直すと、別物になる可能性があります。FF7はこちらのリメイクのようですね。

このことは光田さんも言及しています。

リメイク – Mitsuda's Diary

ゼノギアスという作品が出せたことは素晴らしいですが、完全なゼノギアスというのは、おそらくファンが目にすることはないと思います。悲しいですが。

IFの世界

スーパーマリオブラザーズという、皆さんご存知の名作アクションがあります。 今やっても面白い作品ですが、仮に今の今まで作られなかったとして、 じゃあ2018年現在にあのままの形で出したら話題になるか?と言われると、見向きもされないと思います。

そんな当たり前の状況に敢えて突っ込んで作るかというとNoなので、結局当時作られなかったら、あの名作は世に出なかったと思います。

結局、ファミコンという名機と、開発陣含めて周囲を取り巻く環境が、あの作品を生み出したと言って良いと思います。

正直、クソゲーであっても、当時作られなかったら2度とこの世に生まれなかったと思います。むしろクソゲーの方がそうかも。 たけしの挑戦状デスクリムゾンなど、今作るか?というと作らないでしょう。

要するに巧拙問わず、作ろうと思った作品は、今しか作れないということです。

作ろう

「また今度でいいや」と放置していると、もうその作品は、どんどん作れない環境へシフトしていきます。 アプリでも電子工作でも絵でも、はたまた楽曲製作でも手工芸でも、とにかくクリエイティブなものは全部そう。

例えばスマホゲーを作ろうと思ったとして、そのスマホゲーを作り得る環境は、2年後, 3年後も同じでしょうか? 開発環境は同じでしょうか?トレンドは同じでしょうか?その作品にかけられる熱量は?家庭環境は?仕事は?もし合作なら、相方は?

上手いとか下手とか、成功とか失敗とか関係ないです。そんなものは作ってから反省すれば良いと思います。 とにかく作りたい作品があるならば、それは今しか作れません。 周囲の人に笑われるかもしれませんが、笑わせておけばいいんです。笑う人というのは、大抵その道に暗い人です。

最後に、作品作りで一番ハードルが高いのは、着手です。極力先延ばしにせず、まずは着手するのが最善です。

ということで、私は今、一生懸命絵の練習しつつ、拙い絵を世に送り出し続けています。