【イラスト】アタリって意味不明じゃないですか?
初心者向けイラストの描き方講座見ると大抵載っているアタリ。よく見る解説ってこんな感じだと思います。
私はこれ意味不明でした、ってか意味不明じゃないですか?意味が分からねーと思った理由はこちら。
- いきなり輪郭描けって、輪郭が正しいという保証は?
- アタリってどの辺に入れれば正しいの?
- そもそもアタリ入れて、これどう使うわけ?
イラスト講座を描いている人のレベルが高すぎて、話が飛んでしまうんだと思います。たぶん。 「いや、だって十字いれりゃ大体描く場所決まるでしょ」的な。
アタリの全貌
私は結局本で理解しました。読んだ本はこちら。
2007年の本ということで少し古いですが、私も読んだの結構前です。 全身、ポーズ、正面、斜め顔、横顔、俯瞰、煽りについて、アタリの取り方が全部説明されています。凄い。
今回はこの本を参考に正面の顔の描き方だけ紹介して、アタリとはなんぞやというところを紐解いていきます。 この本そのままではなく、ちょっとアレンジして解説します。
その1 リアル人物
↑ まず、正円と正中線を引いて、それをガイドに輪郭線を描きます。顎の長さはとりあえずアバウトで。
↑ 縦方向4分割すると、こんな感じになります。
↑ それぞれの顔のパーツはこういう配置になります。
- 中心線とその下の円弧のエリアに目の位置
- 中心線と輪郭線の交点が耳の付け根
- 3/4線に鼻の下
- 3/4線と顎の中心よりやや上に口
- 1/4線とトップの間に生え際
↑ 描き入れます。めっちゃリアル……。
↑ ガイドを外すとこんな感じ。
その2 アニメキャラ風
こんなリアルな顔ではなく、アニキャラ風でいきます。
↑ 同じく正円と正中線を描き、それを使って輪郭を描きます。輪郭は、その1より少しアゴの位置を短くしています。
↑ 4分割。さっき説明したので省略。
↑ 生え際、鼻、口を描きました。
↑ 先ほど説明した目の位置にアニメ的目を描きました。
↑ 適当に生え際から髪を伸ばします。
↑ 最終的にはこんな感じ。頭だけだと怖いんで、首から下もちょっと描きました。
この通り、実はリアル絵とパーツ位置にほとんど差異がなかったりします。
※ちなみにこのキャラは適当に描いただけなので、特に出典はないです。
少し補足説明
最初に描く顎の位置を下(つまり長め)にすると大人系、短くすると子供系になります。これはもう感覚でしかないです。 今回はその1もその2もアゴ細いですが、太くしてもパーツ配置は同じです。
目の位置も、少し上にすると大人っぽく、下にすると子供っぽくなります。
生え際は結構重要で、一度はみんな通る道と言われるメット絵を描かずに済みます。
上の絵は気分で描いたゼノギアスのヴァンダーカム。前述の2つの絵に比べるとだいぶ厳つい見た目をしていますが、目の位置は若干上なものの、パーツ位置はアタリに沿っています。
結局最初に描いた十字線アタリ†は
うーん、正中線と中心線だと思いますが、中心線はこの通りズレるとあんまり意味がないので、結局適当に中心線を引く以上、感覚以上でも以下でもない気がします。 そして解説した通り、眼は顔の中心線の下に来ます。十字横線の上に眼を描いてズレない場合、横線は顔の中心にないです。なので、「経験的になんとなーく」ズラしているはずです。
ちなみに自分も今はここまで面倒なことしてなくて、ある程度感覚で描いてます。目の位置がズレた?移動ツールがあるやろ。 ただ、頭部を描く時には少なくとも円を描いてます。逆に円を描かないとぐっちゃぐちゃになってしまうため、即席絵は超ニガテです。
でも今回のエントリーのために久々に真面目にガイド引いて描いたら、めちゃくちゃ嵌りが良くて実はちょっと驚き。
斜めとかどうすんの?
これをベースに、向けたい方向へ円弧を描きます。
円弧と3/4線(鼻の位置)が交わる場所に鼻を描いて、真下よりやや斜めに顎位置を移動します。
こうしてみると、立体的な感じがしますよね。ワイヤーフレーム的と言うか。
後は本でお願いします。。。
参考までに、ラフ線入りの真壁瑞希を貼っておきます。水色の線は、参考のために描き足したもので、このイラストを描いた時には存在してません。
最後に
上で紹介した本にアタリの取り方は厳密に書いてありますが、イラスト描く時に毎回厳密なアタリ入れていたら時間がかかって仕方ないです。 (上の本はファッションデザイン紙なので、パース崩れがたぶん致命的なんだと思います。)
何度も描いているうちに、イラストに必要なアタリが自分の手に馴染んでくると思います。先ほど書きましたが、自分もこんなに厳密にアタリを取ってません。結構テキトーです。 アタリの解説は、おそらく自分の手に馴染んでしまった描き方を説明しているので、なんだか不可思議なことになるんだと思います。
余談。
イラストって、すげー上手い人じゃないと解説してはいけない雰囲気があるんですが、それだと初心者が躓くところの解説がすっ飛んでしまう気がします。 ソフトウェア界隈って、割と初心者の人でもガンガンエントリー上げてるので、イラストもそうなっていいんじゃないのかな、とちょっと思います。文章にして書くことで、自省の機会(=成長)を与えることが出来るからです。