キノコの自省録

日々適当クリエイト

【日記】インプットとアウトプットのバランスを大事に

去り行く平成を見つめつつの雑記。

インプットとアウトプットのバランス

平成の世を生きたソフト屋の自分が、ソフトの勉強する上で特に頭に入れていたのは、インプットとアウトプットのバランスでした。 インプットは要するに本を読んだりして知識を入れる作業で、アウトプットは自分の作りたい作品を実際に制作する作業です。

これってソフトウェアに限らず、イラストレーターなどでもよく言われる話ですが、 インプットをし過ぎるとインプット過多で何も入らなくなり、かといってアウトプットばかりし過ぎると、注目されることばかりに目が行き、雑な作品を生み出してしまうという結果を生んでしまいます。 成長のためにはバランスが大事ということです。

平成15年頃と比較すると、大分成長しました。育成方針は間違っていなかった気がします。 わかりやすい結果では雑誌に載る、Web上で紹介される、地上波TVで紹介される、何らかの賞を受賞する、お金をゲットするといったところ。 それ以上に目に見えない結果の方が大きいと感じています。

具体的には「考える力」です。

一般企業人はインプット過多

突然ですが、一般企業人は大抵インプット過多です。過剰です。 凄く勉強するんです。資格を取ったりもするんです。でも、活用の仕方がわからない。 知識として知っているはずなのに、引き出しから全く出てこない。

一般企業の場合、日々の業務をこなしていれば、まあまあ評価はされます。 それでも何かしらステップアップを目指す場合、プライベートで何かしらの勉強をする必要があります。 ただ、これが割と罠で、勉強時間が成長に比例することにはならず、能力が頭打ちになります。 でも、勉強すると何かしらの安心感があるのか、ただひたすらに勉強します。出来ないから本を読もう、みたいな。

ちなみにこの場合の勉強とはインプットのことです。 本を読むとか、教わりに行くとか、問題を解くとかですね。資格試験も大体そう。 実経験とインプットがリンクしないと、インプットが定着しません。

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一時期、技術派遣の後輩の面倒を見てたことがありました。 その子は勉強熱心ではある一方で、自分の意見をもっておらず、意見を求めると必ずフリーズするという子でした。 自分で考える、自分で意見を述べるということが出来ないためか、勉強時間の割には、あまりインプットが身についていない様子でした。

考えさせる簡単な課題を何度か出したことがあるのですが、結果は全滅。 何か作品を世間に出す経験をしてみたら?と言ってはみたものの、うすーい反応が返ってきただけでした。

元々の考える力がないので、どんなにインプットを強くしても、決まった仕様を決まった通りに作るコーダーにしかなれません。 アウトプットを考える力がないということは、他人に正解を作ってもらうしかないので当然です。

ちなみにその子は現在、神秘主義に傾倒しているようで、なんだかよくわからない占いのみがこの世の真実を解き明かすことができるようです。 おそらく、今もこれからも単純作業者でしかないでしょう。

アウトプットするって

多くの一般企業人はインプット過多、というよりアウトプットをしたことがないと言った方が正確なような気がします。

自分はアウトプットを常に念頭に置いて活動し続けていたので気づかなかったのですが、そもそもアウトプットをする人ってごく一部です。 ソフト屋なら(個人制作で)アプリを作る、(個人で)サービスを作るといったあたりですが、別にそこにこだわらずに書くと、 ゲームを作る、音楽を作る、イラストや漫画を制作する、文字(小説、詩など)を書く、電子機器を作る、造形をする、イベントを主催する、手工芸品を作成する、映画を撮る、アニメを作る、動画を作成するなど、まあ色々あります。

これを、

  • 単発で終わらないこと(繰り返すこと)
  • 作品レベルを意識して上げること
  • ちゃんと公開、もしくは利用すること

の条件を足すと、さらに減ります。

※上の条件がないと、インプットとのサイクルが回っていきませんので、XX教室行って終わりとほぼ変わらなくなります。

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統計取ったわけではないですが、やっている人よりやっていない人の方が圧倒的に多いはずです。

そもそも義務教育の段階からアウトプットはあまり重視されていないので、社会人になっていきなりやれと言われても困るはずです。 ただ、上述したように、インプットはアウトプットの経験に強く結合します。インプットを無駄にしないためにも、やってない人は何かしらアウトプットを出すことを真剣に考えた方が良いと思います。

さらに、アウトプットを出すということは、迫りくる困難に対して、自分で全部対処することになります。 例えばアプリ1本出すにも本当に大変です。コード書いてハイ終わりではありませんから。コードなんて体感10%くらいです。 まずどんなアプリにするか(プラン)から始まり、機能の取捨選択、UI/UX、配色、部品デザイン、アイコンデザイン、アプリ登録作業、バージョン管理、広告処理、多言語対応、そしてコーディングなどをこなす必要があります。

こういったことを全部「考える」ことになります。そして、上手くいかなかった部分を反省して、インプットフェーズにフィードバックします。次に何を勉強するか「考える」ってことです。 例えば音声処理アプリなんかを作って、フーリエ変換をちゃんと勉強したい、とか。使ってから勉強すると、めちゃくちゃ頭に入ります。

だからといって勉強もせずにアウトプットばっかりだしても、レベルが上がっていきません。なので、バランスが大事なんですね。

普段アウトプット的活動していないのに自分の考えを強く持っている人は、たまたま仕事で鍛えられたか、学生時代になんらか活動をしていると思います。天性もあるかもしれませんが。

経営者目線を持て

低賃金で働かせておいて何言ってやがるふざけるなと、ブーイングの大合唱となったこのワードですが、個人的には別の理由であまり好きではありません。

経営者目線というのはPL(Profit/Loss)に特化しがちです。純粋に金になるかならないかということですね。それ以外の価値を重視しません。 そんなことはそれこそ経営者に任せておけばいい話です。なんとなくその間抜けさを感じ取ってブーイングされている気がしないでもないですが。

言われたことをハイハイ聴くだけじゃなく自分の頭で考えろ、ということを言いたいんだと思うんですが、 それこそ詰め込み教育ばっかりやってる学校や社会にも責任の一端があるわけで、「自分の頭で考えろ(方法は知らん)」というのは随分とまあ無責任な放言です。 みんなYouTuberをやってみろという方が余程具体的で親切です。どうなんでしょうね、みんなYouTuberをやってみろって。面白いかもしれませんよ。だって動画編集や投稿って、大半の人がしたことないでしょう。

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平成最後のエントリーということで、適当なことを好き勝手書きました。 では令和で会いましょう。