Krita(G'MIC)で雲模様
木目や岩など、自然物のテクスチャによく使われるPhotoshopの雲模様ですが、KritaでもG’MICを使って描くことが出来るようになりました。
G'MICのダウンロードと設定
雲模様の描画には、G'MICのver2.8.3以降が必要です。
Kritaには元々G'MICが同梱されていますが、この記事を書いている2020年2月8日現在のKrita(ver4.2.8)に同梱されているG'MICはver2.7.1ですので、最新バージョンを別途手に入れる必要があります。 もしお使いのG'MICが2.8.3以降なら、この章は読み飛ばしてください。
ダウンロードはこちらから。
G'MIC plug-in for Kritaから、zip archiveをダウンロードして解凍してください。
解凍したフォルダのパスを、Kritaに設定します。設定->Kritaの設定を変更
を選択してダイアログを表示して、一番下の項目G'MIC Qt統合
に、先ほど解凍したG'MICのパスを設定します。
間違っても、KritaのbinフォルダにG'MICをコピーしてはいけません。Kritaごと起動しなくなります。
※私はやってしまいました。
雲模様を描く
まずはサンプル。256×256の画像を用意して、灰色(0x808080)に塗りつぶしておきます。そのレイヤーに対して、フィルタ -> G'MIC-Qtを開始
を実行します。
次に、G'MICが起動したら、Degradationsから、Noise[Perlin]を選択します。
ノイズのパラメータを次のように設定します。
- Random Seedはなんでもよい
- 1st AmplitudeとScaleを32に
- 2nd AmplitudeとScaleを16に
- 3rd AmplitudeとScaleを8に
- 4th AmplitudeとScaleを4に
- ChannelsをYCbCr[Luminance]に
これでフィルタを適用すると、こんな感じの雲模様が生成されます。
大体Photoshopに近い雲模様が作れたのではないかと思います。
Perlin Noise
要するに、雲模様というのはPerlin Noiseで出来ています。Perlin Noiseはその名の通りノイズなのですが、単純なランダムノイズではなく、複数のノイズ波の合成で出来ています。 今回のように、サイズと周期の大きい波を基準(今回は32)として、その半分(16)、そのまた半分(8)、さらにまた半分(4)のノイズ波を合成すると、Photoshopのような雲模様になります。
フォトショ使いの人は、火や波を作ったりと色々な応用をしたのではないかと思いますが、実際Perlin Noiseは自然物の表現(特に3D)によく用いられます。自分も昔、連続作成したPerlin Noiseを火の画像に対してDisplacement Mapを取ることで、火の揺らぎを表現したことがあります。
G'MICの場合、パラメータを自分で設定しなければならない手間はありますが、逆に色んなことが出来ます。
例えば、木目なんかは無理やり拡縮しなくても、最初からアスペクト比を調整すれば、すぐに作れてしまいます。
色も2値ではなく、様々な色の雲模様が生成できます。例えば、ChannelsをYCbCr Luminanceのような輝度ではなく、RGBAに指定すると、マーブルのような雲模様が生成できます。これで生成した雲模様を使って水中の青を表現すると、ちょっとリッチ感が出せます。